仕事ができない部下に見切りをつけるメリットとリスク

今回は仕事ができない部下に見切りをつける事のメリットとリスクについて解説します。私は現在会社の社長をしています。前職でも人事に関して権限のある立場でした。そんな私は部下に見切りをつけて、退職勧告を行った経験が過去に3度あります。前職で1回、自分の会社で2回です。「酷い人間だ!」と感じられる方もいらっしゃる事でしょう。しかし私の意見は、「見切りをつけた方がお互いの為」という事もある、と思っています。

実は、かくゆう私も、前職の社長に見切りをつけられ退職した人間なのです。見切りをつけられた人間でもそのあと一生懸命に頑張れば華が開く可能性は十分にあります。自身の体験も踏まえてこの記事では以下の点について解説しています。

  • 仕事ができない部下の現状理解
  • 見切りをつけるべき部下とは
  • 見切りをつけてはならない部下とは
  • 見切りをつける具体的な処遇

部下や社員のマネージメントで悩まれている上司や経営者に向けた記事になります。

目次

仕事ができない部下の現状理解

仕事のできない部下の特徴

仕事ができない部下は、指示の理解不足、ミスの多発、やる気の欠如、学習意欲の不足などの特徴があります。これらは、単なる技術不足から、深刻なコミュニケーション問題や心理的障害まで様々です。

部下が抱える問題の種類

部下が抱える問題には、個人的な能力不足、適応障害、ストレス過多などがあります。これらの問題は、部下自身だけでなく、チーム全体のパフォーマンスにも影響を及ぼします。

見切りをつけるべき部下とは

見切りをつけるべき部下とは、会社やチームのパフォーマンスを下げ、周囲の士気を低下させる部下です。具体的には、以下の3つの種類の部下が該当します。

  1. 能力不足型

仕事の能力やスキルが著しく不足し、業務に支障をきたす部下です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 基本的な作業ができない
  • ミスを連発する
  • 期限を守れない
  • 仕事の理解が浅い

このような部下は、チームの業務を滞らせたり、周囲の負担を増やしたりすることになります。また、顧客や取引先からの信頼を失い、会社の評判を落とす可能性もあります。

  1. やる気不足型

仕事に対するやる気が全くなく、積極的に仕事に取り組もうとしない部下です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 指示を待つばかりで、自ら考えて行動しない
  • 責任感がなく、仕事を放置する
  • 仕事に興味や関心を示さない

このような部下は、チームの士気を低下させ、周囲のモチベーションを削ぐことになります。また、会社全体の成長を阻害する可能性があります。

  1. 人間性の問題型

人間性の問題があり、周囲とうまく協調できない部下です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 協調性がなく、周囲と衝突する
  • 常識やマナーに欠け、周囲に迷惑をかける
  • 嘘をつく、責任転嫁をするなど、信用できない

このような部下は、チームの雰囲気を悪くし、周囲の士気を低下させます。また、会社の信用を失い、取引先とのトラブルに発展する可能性もあります。

これらの部下に対しては、まずは指導や教育を試みることが大切です。しかし、指導や教育の効果が見られない場合は、見切りをつけることも検討する必要があります。

見切りをつけるかどうかを判断する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 部下の能力ややる気、人間性の問題が改善する見込みがあるかどうか
  • 部下に見切りをつけることで、会社やチームにどのような影響が及ぶか
  • 部下本人の今後のキャリアにどのような影響が及ぶか

上記の点を考慮して、慎重に判断することが大切です。

見切りをつけてはならない部下とは

見切りをつけてはならない部下とは、会社やチームのパフォーマンスを下げず、周囲の士気を高める部下です。具体的には、以下の3つの種類の部下が該当します。

  1. 能力向上型

仕事の能力やスキルは低いが、意欲的に取り組んでおり、成長の可能性を秘めている部下です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • ミスを反省し、改善に取り組む
  • 新しいことを積極的に学ぼうとする
  • 周囲の助けを素直に受け入れる

このような部下は、指導や教育によって、十分に成長する可能性があります。

  1. やる気向上型

仕事に対するやる気が低いが、能力やスキルは十分にある部下です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 仕事にやりがいを感じている
  • 自分の仕事に誇りを持っている
  • 周囲から認められたいと思っている

このような部下は、本人のやる気を引き出すことで、仕事に積極的に取り組むようになる可能性があります。

  1. 人間性改善型

人間性の問題はあるが、改善する意欲があり、周囲と協調しようとしている部下です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 自分の問題を自覚している
  • 改善のために努力している
  • 周囲への配慮を心がけている

このような部下は、指導や教育によって、人間性を改善し、周囲とうまく協調できるようになる可能性もあります。

見切りをつける具体的な処遇

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配置転換(今と同じ部署)

メリット

  • 部下を会社から完全に排除する必要がないため、解雇に比べてリスクが低い
  • 部下の能力や適性に応じた業務を与えることで、部下の成長や活躍を促す効果が期待できる
  • 部下の不満や反発を招く可能性が低い

リスク

  • 部下のモチベーションが低下する可能性がある
  • 部下の能力や適性に応じた業務を与えることができない可能性がある

今と同じ部署で配置転換をおこなうとは、部下の能力や適性に応じた別の業務を与えることです。部下の成長や活躍を促す効果が期待できる処遇です。

例えば、能力不足型の部下であれば、簡単な業務や、自分の得意な分野の業務を与えることで、ミスやトラブルを減らし、自信をつけさせることが期待できます。

また、やる気不足型の部下であれば、やりがいのある業務や、自分の成長につながる業務を与えることで、モチベーションを高めさせることが期待できます。

ただし、配置転換によって部下のモチベーションが低下する可能性や、部下の能力や適性に応じた業務を与えることができない可能性もありますので、注意が必要です。

配置転換(他の部署・支店)

メリット

  • 部下の能力や適性に応じた業務を与えることができる
  • 部下のモチベーションを高める可能性がある
  • 部下の不満や反発を招く可能性が低い

リスク

  • 部下の転勤に伴う費用や負担が発生する可能性がある
  • 部下の人間関係に影響を与える可能性がある

他の部署へ配置転換することは、新しい居場所で、部下も心機一転頑張ってくれる可能性もあります。また自身と違った上司に指導を受ける事により、部下の成長や活躍を促す効果が期待できる処遇です。

例えば、能力不足型の部下であれば、自分の得意な分野や、経験のある分野の業務を担当する部署に配置転換することで、能力を活かすことができます。

また、やる気不足型の部下であれば、新しい環境でチャレンジする機会を与えることで、モチベーションを高めることができます。

ただし、配置転換によって部下の転勤に伴う費用や負担が発生する可能性や、部下の人間関係に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

退職勧告

メリット

  • 生産性の向上
    パフォーマンスが低い従業員を退職させることで、チームの全体的な生産性を向上させることが可能です。
  • 新たな人材の導入
    新しいスキルや視点を持つ新しい従業員を迎え入れることができます。
  • 組織文化の強化
    高いパフォーマンス基準を維持し、結果重視の文化を促進します。

リスク

  • 労働基準法に違反する可能性がある
  • 社会的批判を浴びる可能性がある

退職勧告は、会社やチームのパフォーマンスの向上、周囲の士気の向上、上司の負担の軽減といった効果が期待できる処遇です。

退職勧告は、会社が従業員に退職を勧告する行為です。退職勧告は、労働契約法で定められた要件を満たす必要があります。

退職勧告を行った場合、部下は退職するか、退職勧告に応じないかどうかを判断することになります。

部下が退職勧告に応じない場合、会社は解雇を行うか、部下と話し合いを続けるかを選択することになります。

退職勧告は、労働基準法に違反する可能性があるため、注意が必要です。また、社会的批判を浴びる可能性があることも留意しておきましょう。

出典:厚生労働省

退職勧告は非常にシビアな問題です。法律を遵守し、関係機関や弁護士などへ相談するなど万全を期す必要があります。

まとめ

いかがでしたか?「仕事ができない部下に見切りをつけるメリットとリスク」について私の実体験も踏まえ記事を作成しました。

ポイントとなる点は以下の通りです。

やる気があり、改善に向けて努力をしている人材は今出来なくても決して見切りをつけるべきではありません。逆にモチベーションが上がらない人や、改善の余地がない人材は、見切りをつけて新たな場所を与えた方が、そこで開花する可能性もあります。ダメな人材とレッテルを貼られたまま過ごすよりはチャンスはあるのだと個人的には思います。もちろん、上司側が最大限に努力した結果の選択ということは言うまでもありません。

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