「アルミ製だから熱に強いはず」と思って貼ったら、数日後にドロドロに溶けて剥がれてしまった。
そんな経験はありませんか?
実は、アルミテープはどれも同じ銀色に見えますが、「どこまで熱に耐えられるか」は製品によって天と地ほどの差があります。
ここを間違えると、せっかく補修した箇所がすぐにダメになるだけでなく、最悪の場合は発火などの事故につながる恐れもあります。
この記事では、見た目では区別がつかない「耐熱アルミテープ」の正しい選び方と、100均ショップのテープが使える限界ライン、そして車やバイクのマフラーにも使える最強テープについて解説します。
この記事でわかること
- 【勘違い厳禁】「普通のアルミテープ」と「耐熱アルミテープ」の致命的な違い
- 100均は使える?ホームセンターの強力テープと使い分ける「温度の境界線」
- バイク・車のマフラー補修に「普通の耐熱テープ」を使ってはいけない理由
- 黒色や厚手など、用途に合わせた最適なアルミテープの選び方チャート
一番の誤解!耐熱アルミテープの温度を決めるのは「アルミ」ではなく「糊」

多くの人が誤解していますが、アルミテープの耐熱性能を決めているのは、表面のピカピカした「アルミ箔」ではありません。
アルミ(金属)自体は約660度まで溶けませんが、裏面についている「糊(粘着剤)」にはもっと低い限界温度があるからです。
耐熱アルミテープと普通のアルミテープの違いは、この「糊の種類」にあります。
一般用(アクリル系粘着剤):〜80℃程度
100均や文具コーナーで売られている普通のアルミテープです。
粘着剤には「アクリル系」などが使われており、耐熱温度はおよそ80度から、高くても100度程度です。
キッチンのシンク周り(防水目的)には十分ですが、熱源に直接触れる場所には不向きです。
耐熱用(シリコン系粘着剤):〜250℃程度
ホームセンターで「耐熱」と書かれて売られているものです。
こちらの粘着剤には熱に強い「シリコン系」などが使われており、メーカーにもよりますが約250度〜300度程度まで耐えられます。
ストーブの煙突や、キッチンのコンロ周りの隙間などには、必ずこちらを選ぶ必要があります。
【温度別】100均はどこまでOK?失敗しない耐熱アルミテープの選び方

「ちょっとした修理だし、ダイソーやセリアの100均テープで済ませたい」と思う方も多いでしょう。
しかし、使う場所によっては100均テープだと危険な場合があります。
用途ごとの温度目安と、選ぶべきテープの種類を比較表にまとめました。
| 用途 | 目安温度 | 推奨テープ | 100均で代用 |
| シンク・流し台 | 〜60℃ | 普通のアルミテープ | ◎ OK |
| コンロの隙間 | 〜100℃ | 耐熱アルミテープ | △ 条件付 |
| 給湯器・ダクト | 〜150℃ | 耐熱アルミテープ | × 危険 |
| 煙突・ストーブ | 〜250℃ | 耐熱アルミテープ | × 危険 |
| マフラー・エンジン | 300℃〜 | ガラスクロステープ | × 不可 |
【80℃〜100℃以下】キッチン周りなら「100均」で十分
ダイソーやセリア、キャンドゥなどの100円ショップに行くと、DIYコーナーやキッチン用品コーナーに必ず「アルミテープ」が置いてあります。 「安かろう悪かろう」と思われがちですが、耐熱性を求められない場所、つまり100℃以下の環境であれば、これらはコストパフォーマンス最強の補修アイテムになります。
シンクやコンロ周りの「隙間」埋めに最適
100均のアルミテープが得意とするのは、「熱対策」ではなく「水と汚れ対策」です。 例えば、流し台と壁の間のコーキングが劣化してカビが生えやすい場所や、キッチンのステンレス台の継ぎ目などに貼るのがベストです。
100均のテープは、ホームセンターの高級品に比べて「アルミ箔が薄い」という特徴があります。 一見デメリットに思えますが、実はこれがメリットになります。薄い分、素材が柔らかく、直角に折れ曲がったコーナー部分や、微妙な段差にも指でなぞるだけでピタッと密着するからです。
炊飯器や電気ポットの「蒸気ガード」として活用
キッチンの吊り戸棚や食器棚の天板は、炊飯器や電気ポットから出る「高温の蒸気」が当たり続けると、木材がふやけたり、表面の化粧板が剥がれたりします。 この蒸気の温度は高くても100℃程度です。 ここに100均のアルミテープを広めに貼っておくことで、蒸気をシャットアウトし、家具の腐食を防ぐ「蒸気ガード」として活用できます。
注意:直火が当たる場所には貼らない
いくら「キッチン用」として売られていても、ガスコンロの五徳(ごとく)のすぐ近くや、魚焼きグリルの排気口周りなど、炎の熱が直接伝わる場所には不向きです。 100均テープに使われているアクリル系などの粘着剤は熱に弱いため、高温になると「ヌルヌル」に溶け出します。 その後、冷えるとカチカチに固着してしまい、いざ剥がそうとした時にベタベタの糊が残って掃除が大変になる「糊残りトラブル」の元凶となります。
【120℃〜250℃】ダクトや煙突には「ホームセンターの耐熱品」

レンジフード(換気扇)の排気ダクト、お風呂の浴室乾燥機の配管、石油ストーブや薪ストーブの煙突。 これらの場所は、常に100℃を超える熱風が通るか、または輻射熱(ふくしゃねつ)によってテープ自体が高温にさらされ続ける過酷な環境です。
ここでは、迷わずホームセンターで売られている「耐熱」と明記されたメーカー品を選んでください。 代表的なのは「ニトムズ(Nitoms)」や「スリーエム(3M)」、「アサヒペン」などの製品です。 価格は500円〜1000円前後と100均の数倍しますが、その性能差は歴然です。
決定的な違いは「シリコン系粘着剤」の耐久性
なぜ高いテープが必要なのでしょうか。それは、熱による「劣化の仕方」が全く違うからです。 安いテープの糊は、高温になり続けると乾燥して粉状になり、最後はパラパラと剥がれ落ちます。 一方、メーカー製耐熱テープに使われる「シリコン系粘着剤」などは、熱がかかっても弾力性を維持し、金属の熱膨張(温まると伸び、冷えると縮む動き)に追従し続けます。 これにより、一度貼れば数年は剥がれない耐久性を発揮します。
厚手タイプを選んで「断熱効果」も狙う
ホームセンターの耐熱テープには「厚手(0.1mm以上など)」のラインナップがあります。 アルミ箔が厚いと、単に破れにくいだけでなく、熱を反射する効率が良くなります。 例えば、キッチンの壁を通る排気ダクトに厚手の耐熱テープを巻くことで、ダクトからの熱漏れを防ぎ、夏場のキッチンの温度上昇を抑える効果も期待できます。
プロが教える「剥がれない貼り方」のコツ
耐熱テープの性能を100%引き出すには、貼り方も重要です。
ヘラで圧着する 指で押さえるだけでは不十分です。プラスチックのヘラや、なければ要らなくなったポイントカードなどで、テープの表面を強くこすりつけ、空気を抜きながら圧着させてください。これにより、テープと対象物が一体化し、耐熱性が最大化します。
脱脂(だっし)を徹底する 貼る場所に油汚れやホコリがついていると、どんなに強力なテープでもすぐに剥がれます。パーツクリーナーやアルコールで拭き上げ、完全に乾かしてから貼ってください。
「重ね貼り」は半分以上重ねる 煙突やダクトに巻きつける場合は、テープの幅の半分以上を重ねながら螺旋状(らせんじょう)に巻いていきます。重なり部分を多く作ることで、隙間からの排気漏れを完全に防ぎます。
マフラー補修に「普通の耐熱アルミテープ」だけでは不十分な理由

車やバイク好きの方がよく検索するのが「マフラー 穴 アルミテープ」というキーワードです。
しかし、ここには大きな落とし穴があります。
マフラーの温度は「300℃〜800℃」!普通の耐熱テープは燃える
エンジンから出た直後の排気管(エキマニ)は800度近く、後ろのマフラー(タイコ部分)でも200度〜400度になります。
市販の「耐熱アルミテープ」の限界はせいぜい250度〜300度です。
つまり、マフラーの穴埋めに普通の耐熱アルミテープを巻いても、すぐに焦げて穴が開くか、燃え尽きてしまいます。
最強の補修は「アルミガラスクロステープ」か「補修パテ」
マフラーに使う場合は、ただのアルミテープではなく、アルミにガラス繊維を編み込んで強化した**「耐熱アルミガラスクロステープ」**が必要です。
「ソフト99」や「ホルツ」などのカー用品メーカーから出ているマフラー専用品を選びましょう。
また、サジェストで出てくる「耐熱 1000℃」というキーワードは、テープではなく**「補修パテ」や「サーモバンテージ(排気管に巻く包帯のような断熱材)」**の領域です。
テープだけで1000度に耐えるものは基本的に存在しないため、大きな穴や高温部はパテ埋めを検討してください。
見た目もこだわる!「黒色(つや消し)」の耐熱アルミテープ活用法
アルミテープといえば「銀色(シルバー)」が常識でしたが、最近では**「黒色(ブラック)」**の耐熱アルミテープも人気です。
- 車のエンジンルーム内の配線保護
- 黒い家電製品の補修
- 撮影機材の遮光・耐熱処理
こういった場所で「銀色のテープだと目立ってカッコ悪い」という悩みを解決してくれます。
性能は銀色の耐熱テープと同等のものが多く(購入時にパッケージの耐熱温度を確認してください)、目立たせずに熱対策ができる便利アイテムです。
つや消しブラックの耐熱テープは、ホームセンターのほか、Amazonなどのネット通販で入手しやすいです。
まとめ
耐熱アルミテープ選びで失敗しないための鉄則は、**「アルミではなく糊(のり)の性能を見る」**ことです。
- 水回りや低温なら: 100均のアルミテープでOK。
- 煙突やダクトなら: ホームセンターの「耐熱」表記のあるテープ(シリコン系粘着剤)。
- マフラー補修なら: カー用品店の「ガラスクロス」入りテープかパテ。
用途と温度のミスマッチは、再修理の手間を増やすだけでなく危険も伴います。
「大は小を兼ねる」の精神で、熱がかかる場所にはケチらずに、しっかりとしたメーカー製の耐熱テープを選ぶことが、結果として一番の近道になります。
